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ヤーチャイカX

虚構の世界を汗だくで踊る

楽園のカンヴァス

いやー、読み応えありましたよ。

堪能堪能。重たーい、正統派の古典的なフランス料理をコースでいただいた感触。

小説的世界観をがっつり描いておきながら、その中で時間も空間も移動して、もう一つの物語があって、その世界も魅力的、っていう。

空間も時間もマショトーリカ構造になっていて、いや、見事見事。

西洋美術にちらっとでも興味あれば、アンリ・ルソーの謎にも興味あるだろうし、いやー、ほんと、読み応えあった、素晴らしいわ。

そして、これは作者の狙い通りなんだろうけど、あの続きが読みたいわー。

ティムと織絵、そして娘の真絵の物語の続きを欲してっしまう。

ごちそうさまでした。いや、ほんと、ご馳走様でした。

 

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逃げるは恥だが役に立つ(漫画)

ドラマがヒットしている、という状況で、kindleで一気読みしました。

で、最終巻だけつい先日読んで、コンプリート。

いや、面白かった。「海野つなみ」さんの作品、これが初めてだったので、他の作品も結構まとめて読みましたよ。(kindleでたくさん買いましたよ)

色々読んだけど、「逃げ恥」が一番面白かったし、なんか他とは違うコンセプトありきな感じがあって、漫画を読むというよりは、新書とか、ああ、ちきりんのブログや本を読んでいる、思考することを迫られる感じでした。

普通に漫画としてももちろん楽しめるし、笑えるし、泣けるんだけど、「結婚とはなんぞや」「仕事とはなんぞや」という命題に向き合うことを要請されて、へんな言い方だけど、社会学の授業に出ている気分でした(何年前だよ)

ドラマはちらっとしか観てないけど、ドラマはすっごいテンポが良くて、役者さんの輝きも突き抜けてて、ドラマ、ちゃんと見たかったな。(DVD買えよ、っていう話ですね。)

漫画の番外編の、百合ちゃんと風見さんの「致す」ときのエピソードが大好きです。

ごちそうさまでした。

あ、もいっかい読みたくなってきた。

マチネの終わりに

kindleで買って、夢中になって読んで、どうしてもリアル本がほしくなって、単行本でも購入しました。

装丁もステキだしね。

言葉が足りない感じですが、この小説を現役で読める時代に生まれてラッキー、と思ってしまった。

小説の力、とはこういうことですかね?

余韻がすごいのよ。読み終わってからも現実の世界に戻るのに時間を要するというか、小説の中での痛みとか焦燥感とか、小さな開放感やらが、ずっと身体の中にある、というか。

だから、わりと長い時間、胸がぎゅーっと苦しくなるよ、これは、なんていうか、辛いよ。

古典的な「誤解もの」とか「ちょっとした嘘もの」が物語の軸になるのって、読むのちょっと辛くない?

もう一度読んで、この記事も上書きすると思うけど、「過去の記憶は上書きできる」っていうのが一番印象に残っています。

もういちど、いただきます。

とりあえずごちそうさまでした。

 

 

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世界から猫が消えたなら

Amazonで「本屋大賞」で検索して出てきたものをランダムに購買した中の一冊。

このごろkindleで読むばっかりだったんだけど、

家の中に文庫本が散らばっている生活もやっぱり好き、というか、

ページをめくる感触が恋しくなって「リアル本」を買ってしまった。

文庫の表紙がとても可愛くて「いいじゃん」とおもってポチッたのに、届いた文庫本のカバーは映画PR用のもので、「むむむ」だったんだけど、よく見たら二重カバーになっておりました。

そうなのか、と思って、めくっておいたよ。

ものすごく読みやすくて、あっという間に読み終わりました。

読み始めた時点でなんか結末は予感できたし、実際その通りになって、気持ちよかった。悪い人も悪意も出てこない、とてもさわやかに読み進み、そして読み終えることができます。

でも、ひっかかりはきっちり残る、という。

寓話的な小説とでもいうべきなのか・・・。

この小説を子供に勧めて、文字面を負うことはできても、真に懐に落ちるのはたぶん30を過ぎてからなんだろうな、と思うに至っております。

 

ごちそうさまでした。

三月のライオン(漫画)

ちゃぶ台の上に並んだ料理が、艶やかに、鮮やかに描かれた作品って、作品全体が、好感が持てる、というか愛おしいものが多くないですか?

「艶やかに、鮮やかに」って言っても、レストランのWebサイトに掲載されている写真のような、洗練されすぎて現実味のない感じではなく、もっとベトベトやジョリジョリの質感を訴えてくるような、生活感を纏った描きかたの食卓の料理ね。

小説での食事の表現もいろいろあるけど、

(ぱっと思いつくのはエッセイですが、平松洋子さんのがいつも美味しそう)

映像だと特に、「食事の風景」って、その人をめぐる環境を一瞬で説明する力があるんだろうな。

「三月のライオン」で描かれている、あかりさんとひなちゃんの作る「ごはん」は、ホカホカでアツアツで、漫画に描かれている台所の様子は、いかにも美味しい料理がつくられそうな風情で、あったかくって、食べる人の身体も心も溶かしていく。

隅田川周辺の下町の景色と、古い小さな家の、みんなで囲むちゃぶ台での食事。

すんごい日本人的。小津安二郎的。零くんのモノローグもポエティック。

悲しいことも苦しいことも、全部、そっと支えあって、飲み込んでいこうね、というひたむきさとか、強さとか、そういうものを感じるよ。

主食がハンバーガーの人にはわかんないだろうなぁと思うわ。偏見かな?

ちはやふる」が”かるた(百人一首)”と”恋愛”を”青春”という軸に巻き付けて進んでいくのに対して、「三月のライオン」は、”将棋”と”家族”を”成長”に巻き付けて進んでいくような感じ。

ほぼすべての登場人物に共感したり愛情を抱いてしまう点で、群像劇でもあるんだろうな。大好きな作品です。

ごちそうさまです。

続きにも、映画にも期待してます。